娘がリビングのソファーでぐうたらして、たまにそのまま寝落ちしてしまいます。
ある日夫が「土左衛門になるぞ~」と注意したら、
「ドザエモンって何!?」と通じない。
「川とかで死んだ人の死体のこと」
「えっ、なんで川? 川限定? それ、いつ使うの? みんな普通に知ってる言葉?」
「うん。まあ、時代劇とかでそういうシーンがあるから、みんな、いつかどこかで聞いたことがあるんだよ」
「そんなにしょっちゅう川で死ぬもん? なんで川で死んだときだけ特別な名前があるの?」
となかなか納得しない。
そう言われると「水死体」なんて日常生活ではめったに口にしない単語なのに、さらにその隠語を使う事態なんかあるわけないのでして。
でも、時代劇ではわりとよく川で死ぬのよ……。
現代劇でも刑事ドラマなんかで水死体が見つかるシーンというのはわりとありますが、今は「土左衛門」と言わないですよね。放送禁止というか、放送自粛単語なんでしょうね。
しかし、それ以来わが家ではソファでの寝落ちのことを「どざる」(動詞)と言うようになりまして、娘がぐうたらしていると、「またどざるぞー」と注意されています。 そういうわが家だけの単語を「うち語」と呼んでいまして、「うち語がまた増えたね~」と娘は嬉しそうです。