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2005年7月12日

ナワケとタリスの追放


ナワケは物知り顔だった。馬が合うのはジツとヨウで、気が付くとそばにいることが多かった。ジツやヨウから近づいたとかそうじゃないとか、いろいろ言われていたがよくは知らない。
幾分お節介だったのだと思う。やつに任せておけばいいと思われることが多かったが、そんなふうに仕切らなくてもよいのにと陰口をたたく者もいた。


タリスはとてもチャーミングで人好きがするが、弱気なのかリベラルなのかよく分からなかった。どちらにせよ、案外用心深かったのだろう。
タリスの周りには人が集まり、笑いも絶えなかったが、なんとなく煙に巻かれたような気が、いつもするのだった。

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ナワケもタリスも個性が強く、まるで秘湯の入浴剤のように水を白く濁らすことが多かった。ここは都会のユニットバスで、入っているのは水道水なのだ。ナワケとタリスの不文律的追放が決まった。

ナワケとタリスのお節介とチャーミングさが忘れられない者がこっそり隠すことは(風呂ゆえに)水面下で継続されたが、それも水道水を濁らせない程度であることが多かった。


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ジツは要約をしていて、語尾がくどいときはすっきりさせることが必要なわけだ。ヨウは「なわけ」をカットするやり方なわけだな。実際この文から「なわけ」をカットしても意味が通じる。
なんだか断定を回避しているような、厳密性を追究しているような言い方もあったりする。そうではないケースもあるのかと考えるけれど、別にほかのケースはないんじゃないかと思ったりする。こっちも「たりす」をカットしたところで、さして意味が変わるわけではない。

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